この記事で整理すること
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・非定型論点を診断する12項目のチェックポイント
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・該当数によって変わる次のアクション
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・内製で対応できる条件
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・採用による体制強化が向いている条件
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・外部支援を検討すべき条件
01. 非定型論点は12項目のチェックリストで、自社対応の可否を切り分けます
非定型論点を診断する前に
前の記事「会計基準に“答えがない”論点で社内が止まる理由」では、非定型論点で社内が止まる原因が、事実関係を整理し結論まで進める責任主体の不在にあることを説明しました。
本記事では、その論点を社内解釈で進めてよいか、外部の論点整理支援が必要かを見分けるための診断基準を紹介します。
非定型論点の診断チェックリスト
複数の項目に該当し、社内だけでは原因や対応方針を切り分けにくい場合、社内完結ではなく、外部支援を含めて体制を再設計する段階です。
- 会計基準を読んでも自社取引への当てはめが決まらない
- 顧問からは一般論のみで具体案が出ない
- 監査法人へ示すたたき台がない
- 契約書の文言と実態がかけ離れている
- 弁護士のレビューは受けているが、会計上の取り扱いについて事前に協議されていない
- 経営陣と経理側の判断に乖離が生じている
- 予算と実績に大きな乖離がある
- 処理案ごとの影響額を比較できていない
- 判断根拠を文書化していない
- 締切までに社内判断者が決まっていない
- 基準の原則論を適用することを優先して実務上のコストを度外視している
- 経営側と経理側で実務上の運用の負担の理解に差が生じている
該当数ごとの次アクション
- 該当が少ない場合:まず社内で責任者、成果物、期限を明確にし、内製で進められるか確認します。
- 複数の項目に該当する場合:スポット相談ではなく、論点整理と役割分担の設計を外部と行うことを検討します。
- 多くの項目に該当し、社内だけでは対応が難しい場合:締切から逆算し、実務推進まで担う短期集中支援を早期に検討すべき状態です。
重要なのは、相談先の名前を先に決めることではなく、現在不足している機能が、知識、判断、資料作成、調整、進捗管理のどこにあるかを特定することです。
02. 検討時間・継続発生の見込み・締切を基準に、内製・採用・外注を判断します
内製・採用・外注のどれが向いているか
非定型の会計論点への対応は、内製・採用・外注の3つに分けて判断します。
1. 内製が向いているケース
次のような場合は、現在の組織内で改善できる可能性があります。
- 取引が始まるまでに十分な時間があり、検討する時間がある
- 書籍やセミナーなど自己学習をすることで、似たようなケースを見つけることができる
- 担当者や責任者の一存で決めることなく、信頼できる壁打ち役がいる
- 経営陣や監査法人に対して、採用する処理の影響額や理由を説明できる
- 複数のプランを柔軟に考えることができる
社内で協議を経て結論を出した場合には、経営陣や他事業部からの理解も得られるとともに、知見を社内に残すことができます。一方で、新規論点のみに工数を割くことができる人員はまれで、即時に判断した経験がない場合には、改善が後回しになり、いつまでたっても結論が出ない場合があります。
2. 採用が向いているケース
次のような場合は、採用が有効です。
- 現在取り組んでいる論点以外にも人手が必要である
- 基準にはない珍しい取引に対しても経験したことのある人材に対してオファーができる
- 今後も継続して会計基準には書かれていない論点の発生見込みがある
- 経営陣や監査法人と積極的にコミュニケーションをとれるような環境を提供することができる
- 採用者へ任せる業務と必要経験を具体化できる
継続的に非定型的な取引が発生する場合に、適切な人材を雇用することができれば、長期的な外注コストを削減することができ、経営判断も迅速化できます。一方で、面接や書類だけでこのようなタスクを依頼できるのかといった判断を実行することは難しく、入社後すぐに経営陣などとコミュニケーションを図れる環境を整えることも困難です。
3. 外注が向いているケース
次のような場合は、外部支援が有効です。
- 締切があり、論点整理・資料作成・関係者調整を短期間で一体的に進める必要がある
- 社内に被監査経験者が少ない、もしくはいない
- 信頼できる外注先を選定することができる
- 外注先にありのままの状況を伝えることができる
- 監査や経営陣に対しても責任をもって説明してもらえる人材をアサインしてもらえる
必要な経験を期限に合わせて利用することができ、リソースを分散してより最適な回答を得られる可能性があります。一方で、コストだけで外注先を選定してしまうと、想定していた結果が得られることなく、かえってコストだけがかかる事態が発生します。
まとめ
非定型論点の診断は、12項目のチェックリストと該当数、そして内製・採用・外注それぞれの向き不向きの条件を照らし合わせて行います。次の記事では、外部の論点整理支援を検討する場合に、社内検討・監査法人相談・専門家依頼をどう使い分けるかを整理します。
よくある質問
Q. 非定型の会計論点を社内解釈で進めてよいか、どう判断すればよいですか?
会計基準を読んでも自社取引への当てはめが決まらないか、監査法人へ示すたたき台がないか等の12項目でチェックします。複数の項目に該当する場合、社内完結ではなく外部の論点整理支援を含めた体制再設計の検討段階です。
Q. チェックリストで何個該当したら外部支援が必要ですか?
複数の項目に該当する場合は論点整理と役割分担の外部設計を、複数の項目に該当する場合は締切から逆算した実務推進まで担う短期集中支援の検討が必要です。
Q. 非定型論点は採用で対応すべきですか、それとも外注すべきですか?
今後も継続して非定型論点の発生が見込まれ、適切な人材へのオファーが可能な場合は採用が向いています。締切が迫り論点整理・資料作成・関係者調整を短期間で進める必要がある場合は外注が向いています。
Q. 処理案の影響額を比較していない場合、リスクはありますか?
処理案ごとの影響額を比較できていない、判断根拠を文書化していない状態は、診断チェックリストの該当項目であり、外部の論点整理支援を検討すべきサインの一つです。
非定型論点では、相談先を先に決めるのではなく、知識・判断・資料作成・調整・進捗管理のどの機能が不足しているのかを特定することが重要です。外部支援が視野に入る場合は、次に社内検討・監査法人相談・専門家依頼をどう使い分けるかを確認します。
止まっている論点を、経理処理・事業部起因・設計に分けて整理しませんか。
資料回収ルート、商流、提出期限、責任範囲を確認し、外部が入るべき論点かを整理します。